「今日どこで食べる?」を20分の会話にしない方法
グループで店が決まらない理由と、確実に決着させる5つの方法。ほとんどの仕事をしてくれる「2択の原則」を中心に解説します。
「今日どこで食べる?」は、日本語でもっとも非生産的な質問のひとつです。誰も希望が ないからではありません。質問が開かれすぎていて、全員が気を遣っていて、店を名指し すると「みんなにタイ料理を食べさせた人」になるリスクを負うからです。
直すべきなのは気遣いではなく、質問の形です。
なぜ決まらないのか
3つのことが同時に起きています。
全員が譲る。 「なんでもいいよ」はたいてい嘘です。「軽い希望はあるが、それを主張 するほどの価値はない」という意味です。軽い希望だけが集まって仕組みがないと、決定は 生まれません。
選択肢が無限にある。 店を挙げてほしいというのは、知っている全部の店を思い出し、 営業時間、全員が食べられるか、歩ける距離かで絞り込め、と頼んでいるのと同じです。 実際の認知的作業を、軽い時間的プレッシャーの下で、見返りなしにやらされます。
誰も責任を負いたくない。 自分が決めて微妙だったら自分のせいです。譲るのが安全な 手で、全員が安全策を取れば会話は終わりません。
どれひとつとして、話し合いを増やせば解決するものはありません。むしろ3つとも悪化します。
方法1:2択にして投票する
2つに絞って投票にかける。いちばん速く、探すコストと責任の両方を消すので機能します。
- 誰も店を思い出す必要がなく、2つから選ぶだけ
- グループが選んだので、誰の責任でもない
- 1分もかからない
肝心なのは、候補2つを1人が選ぶことです。民主的でないように感じますが、そこが 要点です。難しく開かれた部分を、1人が素早く下せる小さな決定に変換し、簡単で楽しい 部分だけをグループに残します。
チャットのリアクションを遡って数えるのではなくきちんと集計したいなら、 2択のアンケートを作ってリンクを貼ってください。アカウントなしで 投票できるので、誰も何かをインストールする必要はありません。
方法2:拒否権ラウンド
全員に拒否権を1回だけ与え、投票はしません。誰かが店を提案し、誰でも一度だけ却下 できます。実際には2〜3ラウンドで終わり、しかも普段は言われない制約が表に出ます。 アレルギー、「昨日も食べた」、「そこは40分かかる」といったものです。
本当の問題が無関心ではなく「言っていない制約」であるグループに向いています。
方法3:持ち回りで決める
1人が決めて、次回は別の人が決める。議論は一切しません。
思ったより悪くありません。何回か繰り返せば全員に順番が回り、結果の平均はグループで 決めたときとだいたい同じで、20分が戻ってきます。よく一緒に食べるグループほど有効です。
方法4:先に制約、あとで選択
店から始めないでください。いちばん多くの選択肢を消せる制約から始めます。
- どのくらいの距離まで行けるか
- 今日は何を食べないか
- 座って食べるか、さっと済ませるか
この3つに答えるだけで、たいてい候補は2〜3店に減ります。そこから投票します。
方法5:デフォルトを決めておく
誰も決めないときに必ず行く店を決めておく。知っている中でいちばんいい店である必要は なく、誰も反対しない安定した店であることが条件です。デフォルトの目的は、誰も 強くこだわっていないとき——つまりほとんどの場合——に会話を即座に終わらせることです。
使い分け
| 状況 | 方法 |
|---|---|
| グループLINEで今夜決める | 2択にして投票 |
| 誰も決めたがらない | 持ち回りで決める |
| 言われていない制約が多そう | 拒否権ラウンド |
| 大人数で意見が多い | 先に制約、あとで投票 |
| 毎回のことで重要度が低い | デフォルトを決めておく |
これは一般的な話でもある
グループの決定は、質問が開かれているときに止まり、誰かが具体的な少数の選択肢に 変換したときに動き出します。店選びでも、観る映画でも、旅行先でも、職場で議論に なることの多くでも同じです。
仕事は「絞る」ほうにあって、「投票する」ほうにはありません。絞る役を引き受ける人は、 たとえその2択が完璧でなくてもグループに貢献しています。決着する不完全な2択は、 決着しない無限の完璧な選択肢に勝つからです。
2つの選択肢の書き方は答えてもらえる質問の作り方、 グループの決定全般については集団で決められないときに効く6つの方法 をどうぞ。